人気ブログランキング | 話題のタグを見る

凡庸なるがままに。


by michelle_s
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

アタック25完結編(1)

 放送も終わってあまりと言えばあまりな結果にみなさん驚かれたことでしょう。ということで、収録日の模様を書き留めておきたいと思います。


 収録日の8月25日が迫ってきたが、大型の台風11号が東海道新幹線を直撃するコースに近づいていたこともあり、私は前日24日の夜に新幹線で大阪入り、梅田のホテルに23時過ぎにチェックインした。ノートPCでも持ってきて、ニュースでもチェックすればよかったかな、と思ったが、そもそもPS2のゲームに出てきた問題は別として、日付問題以外はまったく予習してない。今さら仕方ないかと思いながら大阪のローカル番組を見ながら早々と就寝。後にして思えばこれが仇となった。

 収録日当日、ホテルのチェックアウトは11時。朝日放送への集合時間は午後12時半と若干余裕がある。阪神百貨店地下でイカ焼きを食べ、思い出して児玉さんに書いてもらう用の色紙を文具売り場で買ったりしてから、梅田阪急前からタクシーで朝日放送へ向かう。
 と、朝日放送に到着したそのとき、私の乗ったタクシーの前のタクシーを、見覚えのあるテレビ局の人たちがうやうやしく出迎えている。出迎えているのはアタック25のプロデューサーの人ではないか?ということは…と思った瞬間、前のタクシーの中から背の高い白髪の男性が降り立った。児玉清さんその人であった。いきなりの児玉さん出現で、今ひとつ出演に現実感が持てなかったのが急速に身が引き締まる思いがする。
 児玉さん、スタッフの皆さんが入って行ったのを感慨深く見送った後、守衛さんに「あのう」と話しかけたら、それだけで
「あーアタック出場の人ね。受付へ行ってください」
と案内される。大きな荷物を持った素人が来たらアタック25か新婚さんいらっしゃいの出場者、とすぐわかるのだろう。連れはまだ入れないということで、とりあえず一人で受付に行き、入館証をもらう。
 出場者控え室には自分ひとりできょろきょろしながら歩いて行った。応接室のうちひとつが控え室にあてられており、すでに緑の枠の人が来ていた。
「今日はよろしくおねがいします」
と挨拶をし、しばらくは黙っていたのだがまだ集合時間まで30分もあり、手持ち無沙汰なので話をしていると、そのうちに赤の枠・白の枠の人もやってきてまたもや挨拶。赤の枠の人はなんでもタイムショックに出たことがあるそうだ。一応たたかう相手なのであまり和やかに話すものではないのかもしれないが、とにかく緊張しているので話をしてしまう。そのうち、
「予選のシートに趣味や得意ジャンルを書いたけど、それがわからなかったらめちゃくちゃ恥ずかしいですよねえ」
というところで全員意見が一致する。ちなみに私はまんがだプラモだサバゲだと書いておいたのだが、そんな問題はまったく出なかった。私しかわからん問題を出しても仕方ないか。
 この控え室には出場者への注意書きが置かれていた。プリントの最後に
「明るく前向きにゲームを楽しんでください」
とある。そうだった、これはゲームだもんな、と思い返す。
アタック25完結編(1)_a0033423_1815264.jpg

入館証と注意書き


 集合時間を過ぎて20分経ったころ、スタッフの方が現れる。
「はい、じゃあメイクしてリハーサルしてすぐ本番です」
もうですか。早いなあ。後からわかったことではこの日は2本撮りだったらしく、そりゃサクサク進行するわけだ。
 まず別室に移動し、そこで進行の方とディレクターさんから、ルールの最終確認と心構えの説明がある。
・人名は日本人ならフルネーム、外国人なら苗字だけでOK
・パネルの取り方
・正解したら嬉しいリアクション、間違ったり消されたりしたら悔しいリアクションをわかりやすくする。テレビなので。
といったような事項だ。しかし、私の「悔しそうな顔」がオンエアではものすごく怖い顔に映っていたらしい。うまくいかないものだ。というか、かわいく悔しがる顔なんて練習したことないし。

 この説明を受けた部屋の冷房が非常に寒く、すっかり身体が冷えきって
「早く移動させてもらえないかなあ」
と思い始めたころ、ドアがノックされた。別のスタッフの人かな、と思っていたら
児玉さん、沢木さん、プロデューサーさん、児玉さんのマネージャーさん、
が入ってこられた。結構いきなりだったので、出場者4人ともが一斉に弾かれたように立ち上がり
「よ、よろしくお願いします!」
と礼をした。新入社員がいきなり会長に会ったという感じだった。
 初めて間近に見る児玉さんはまるっきりテレビのままだった。いや、テレビで見るよりもずっと長身で柔和な感じ。そしてアシスタントの沢木さんは私と同じ人類とは思えないほどきれいで細身で顔が小さかった。まあ、同じウマでもサラブレッドとペルシュロンは全然違いますからね。私と沢木さんとでは、人類ではあっても種類は違うだろう。
 まず児玉さんは台風が近づいてきているので、出場者が来られなくなるのではと心配されていたこと、ご自身も普段は当日飛行機で来られるのだが、前日に新幹線で大阪入りされたことなどをおっしゃっていた。そのうち
「昨日覚えていないぐらい飲んでねえ。今日は人に会うのがこわいんですよ。そういうこと、ありませんか?」
などとおっしゃる。たぶん、毎回こうやって出場者の緊張をほぐすようなことを話しておられるのだろう、と思った。それから収録は1ヶ月夏休みで、今日が夏休み明けの最初の収録だともおっしゃっていた。
 児玉さん、沢木さんと話をしていたのは10分ほど、と思えたが実際は5分ほどだったかもしれない。お二人が
「ではスタジオで」
と出て行かれた後、全員
「ほぅ…」と遠い眼をしてうっとりしてしまい、ディレクターの方に
「皆さん既に妙に満足しちゃってませんか?」
と突っ込まれる。確かに私は児玉さんに会ったことでかなり満たされてしまっていた。これもモチベーションという点では、あまりよくなかった。

 その後メイク室へと移動。男性2名はドーランを塗られるが、女性2名は既に塗っているメイクを濃く直す、という感じだった。ちなみにプロのメイクさんがやってくれたにも関わらず、私の顔はリハーサル後にすぐにテカテカしていたのだが。メイクさんが本番前に飛んできて、顔にパフを当ててくれた。
 メイクも終わるといよいよスタジオへ入る。もうちょっと待ってくれー、と思うが否が応でも前に進まされる。スタジオに入るともう応援のみんなは観客席に座ってにこにこしている。テレビで見慣れたあの解答者席に自分の名前が貼ってある。本物だ。前後がわからなくなるほど緊張はしていないが、この後のリハーサルで緊張が高まることとなる。

つづきます。
by michelle_s | 2005-08-28 18:03 | アタック25